ユーザンスとはクレジットカードを利用した日から支払日（引落までの）期間のことをいいます。
支払い猶予期間ともいいますが、カードで買い物をするというのは、後払いをするということなので、かならず、この支払い猶予の期間、つまりユーザンスがあることになります。
このユーザンスの間は、例えば銀行口座が空っぽでも良いわけです、カード利用者は支払日に支払いをするだけの資力があることは約束しています（この見通しが全くないのにカードで買い物をするのは一種の詐欺です）、しかし、カードを利用する時点では支払う能力がないとしても全然問題ないわけです。
１０万円しか銀行口座に預金がないという人でも、クレジットカードで１００万円の買い物をすることができます（利用限度額の範囲でね）。
これは、今は１０万円しかなくても、支払日には口座に１００万円入っているはず、という信用に基づいています。
こういう取引を信用取引といいます、カード利用だけでなく、ツケ払い、無担保融資、手形取引、などは全て信用取引です。
ユーザンスという言葉は本来は支払日が到来している債権であって、債務者に十分な資力がないのが明らかな場合に、ちょっと待てば債務者の資力が回復して支払いが可能になる見通しが十分あるときに、待って全額回収しようという目的で、債権者が債務者に与える猶予期間のことをいいます。
最も典型的なユーザンスの例としては、約束手形を振り出した中小企業の社長さんが、手形の満期日に手形の所持人に、銀行に持ち込むのを一週間だけ待ってもらう、というような場合です。